PMS(月経前症候群)は体のリズムをチェックしてのりこえよう
PMSという言葉をご存知ですか?
女性には毎月生理がありますが、その症状は人それぞれです。
生理中に体調が悪くなる人、生理前に体調が悪くなる人、様々だと思います。
その中でも特に心の変化を感じる方も多く、日常生活にも支障をきたすくらい
重い症状を抱えている方も少なくありません。
そんなつらい症状とうまく向きあい、上手に生理をのりこえましょう。
PMSってなに?
PMSとは月経前症候群といいます。
毎月排卵が終わってから月経があるまでの期間を黄体期と呼びますが、この黄体期に起きる心と体の症状のことをまとめて月経前症候群と呼びます。
生理中におなかが痛い、体がだるいなどの症状は自覚しやすく期間もわかりやすいため対策も立てやすいのですが、PMSに関してはまだまだ自覚していない方も多いです。
判断基準としては
・月経前3日から14日前から始まること
・精神的身体的症状であること
・月経開始と同時に症状がなくなること
・月経前になると繰り返し症状がおきること
などです。これらに当てはまる場合、PMSである可能性が高くなります。
PMSの原因としてはまだ不明な点が多くあります。
ホルモンのバランス異常や、神経伝達物質の異常、また黄体期は2つのホルモンが急激に低下するために心身の異常をきたすのではないかという考えもあります。
しかし1つの原因というよりも、多くの要因がからまってPMSを引き起こしていると
考えるのが今の見方です。
症状の現れ方も個人差が激しいため、周りの人と比べることが難しいものです。
まったく症状のない方もいれば日常生活も困難になるくらい症状に苦しむ方も
います。
そのため女性同士で話をしても理解されにくく、ともすれば怠けているといわれるのが嫌でがんばりすぎてしまうという声もあります。
しかし症状がひどくなると精神的にうつ状態になることもあるため無理は禁物です。
この時期を心身ともに健やかにすごせるように対策を立てる必要があります。
PMSチェックとは?
人には理解されにくい症状をきちんと伝えることは難しいものです。
そこで、毎日の症状を記録にまとめておくとスムーズに伝えることができます。
日本産婦人科学会ではPMSのチェック項目をまとめています。
次の項目のうち少なくとも1つが当てはまる場合にPMSと診断されます。
心の症状
①うつ症状 ②怒りの爆発 ③いらだち ④不安 ⑤気持ちの混乱
⑥社会から引きこもりたいという気持ち
体の症状
①乳房が腫れる、痛い ②おなかが張る ③頭痛 ④手足がむくむ
こういった症状には次の特徴があり、こちらも診断の際には大切です。
①月経開始から4日以内に軽くなり、月経後13日までは出ない。
②薬やアルコール、ホルモン内服薬の影響を受けていない。
③次の月経時にも同じ症状が予想される。
④社会的、経済的に困難がある。
④の社会的経済的というのは働いている場合に限らず、育児や学業に支障が出る場合にも当てはまります。
人によっては彼や夫に当たり散らしてしまうという悩みを抱える方も多く、それを自分でコントロールできないことに深く悩んでいます。
まずは基礎体温を記録しよう
自分の月経の周期を知ることがPMSかどうかの手掛かりになります。
まずは基礎体温をつけましょう。
基礎体温を測る時には舌下式の体温計を用意します。
ドラッグストアで購入するときに基礎体温表が一緒についているものを選ぶと一石二鳥です。
基礎体温は毎朝目が覚めた時に計ります。
この時布団に起き上がる前の安静な状態のまま計ることが大切です。
舌下に体温計を差し入れてアラーム音が鳴るまで横になったまま計ります。
一般的に舌下の温度は腋下(えきか)よりも高いものなので、普段の体温と違うと思っても心配ありません。
基礎体温表にも記載がありますが、体温の変化は周期的に起こります。
PMSのおこる黄体期は体温が高く、月経期に入ると体温が下がります。
この周期を目安に自分の体と心の変化を記録していくと、診断を受ける際に役立ちます。
またこの記録を続けると、自分でもいつ頃症状が起きるのか予想ができますので、その時期には仕事の負担を軽くしてもらったり、誰かの手を借りて育児をしたりなどPMSと上手につきあうことができますね。
まとめ
女性である以上月経に伴う変化にはつきあい続けなくてはいけません。
正体のわからないままつきあうのは怖いものですが、記録をつけることによってリズムがわかると怖いと思うことは少なくなります。
自分でPMSをチェックすると婦人科を受診する目安になるので、早めに受診することができます。
ひとりで悩まないで信頼できる医師の下で不調を整えていきましょう。